- ED(勃起不全)とは?まずは症状チェック
- ED治療薬の種類と料金
- ほかの病気が原因となって起こる器質性ED
- 特定の薬の服用が原因で起こる薬剤性ED
- 器質性と心因性の混合が原因で起こる混合性ED
- ED(勃起不全)、ED治療薬のよくあるご質問
ED(勃起不全)とは?まずは症状チェック
ED(勃起不全)は、満足な性行為を行うために十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します。
EDにお悩みの患者さんへメッセージ
自分がEDなのではないかと思いながらも、「気にし過ぎなのではないか」「泌尿器科に行くのが恥ずかしい」「気軽に相談できる人がいない」と一人で考え込んでしまう方は多いのではないでしょうか。EDに関するお悩みで当院へ相談に来る方は少なくありません。もちろん恥ずかしいことでも何でもありません。
「女性看護師に見られたくない」という理由から、通院をためらってしまう患者さんが多いようです。当院スタッフ、医師は男性のみです。そのような心配はいりませんので安心してご来院ください。プライバシーに配慮した院内環境を整えています。
EDのセルフチェック
国際勃起機能スコア(IIEF-5)は、勃起機能障害(ED)の自己チェックに広く用いられる問診票です。簡単な5つの設問に回答するだけで、自分はEDなのか、EDなのであればどれくらいの重症度なのかを判断できます。
次の5つの設問で構成されています。
- 勃起してそれを維持する自信はどれくらいありましたか?
- 性的刺激で、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか?
- 性交時に、挿入後も勃起を維持できましたか?
- 性交終了まで勃起を維持するのはどれくらい難しかったですか?
- 性交に満足できた頻度はどれくらいでしたか?
各設問を0~5までの6段階で評価します。
点数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
設問1 | 全くない | 非常に低い | 低い | 普通 | 高い | 非常に高い |
設問2 | 一度もなし | 全くなし ほとんどなし |
たまに 半分以下 |
時々 半分程度 |
おおかた毎回 半分以上 |
毎回 ほぼ毎回 |
設問3 | 一度もなし | 全くなし ほとんどなし |
たまに 半分以下 |
時々 半分程度 |
おおかた毎回 半分以上 |
毎回 ほぼ毎回 |
設問4 | 性交の試み 一度もなし |
ほとんど 困難 |
かなり 困難 |
困難 | やや困難 | 困難ではない |
設問5 | 性交の試み 一度もなし |
全くなし ほとんどなし |
たまに 半分以下 |
時々 半分程度 |
おおかた毎回 半分以上 |
毎回 ほぼ毎回 |
↓点数を合計してください。↓
合計25点満点中、21点以下はEDの可能性があります。
国際勃起機能スコア(IIEF-5):点数の評価基準
重要度分類 | IIEF-5の得点(25点満点中) |
---|---|
EDなし | 22~25点 |
軽度ED | 17~21点 |
軽度~中等度ED | 12~16点 |
中等度ED | 8~11点 |
完全ED | 5~7点 |
※このチェックはあくまでも目安であり、正確な診断は専門医による評価が必要です。
EDの原因とは?ED治療薬で治る?
EDのセルフチェックによって、自分はEDかもしれないと思ったら、まずは一度ご相談ください。
EDはその原因別に、大きく4つに分類できます。EDの原因や発症要因を明らかにしながら、ご自身にあった治療法を試みることが大切です。
- 心因性ED
- 器質性ED
- 混合性ED
- 薬剤性ED
患者さんのお身体の状態によって個人差はありますが、EDの原因によってはED治療薬によって比較的改善しやすいタイプもあります。
(それぞれのEDの原因は、本ページの後半で解説しています。ぜひご覧ください)
ED治療薬の種類と料金
お薬代のみで、初診料、診察料は0円
※ 当クリニックで処方する治療薬は全て国内正規品です。
※ 1錠あたりの料金です。
ED治療薬の種類 |
料金 |
---|---|
シアリス20mg | 1,800円(税込) |
シアリスジェネリック20mg | 1,300円(税込) |
レビトラ20mg | 生産中止 |
レビトラジェネリック20mg | 1,650円(税込) |
バイアグラ50mg | 1,500円(税込) |
バイアグラODフィルム50mg | 950円(税込) |
バイアグラジェネリック50mg | 900円(税込) |
初診の患者さん限定:お試しセット
ED治療薬の種類 | 料金 |
---|---|
7錠お試しセット | 7,800円(税込) |
12錠お試しセット | 13,500円(税込) |
※ 当クリニックで処方する治療薬は全て国内正規品です。
ED治療薬について、分からないことや不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
それぞれの薬には特徴がありますので、患者さんのライフスタイルやニーズに合った薬を選ぶことが重要です。服用前に必ず医師と相談し、最適な薬を選んでください。
1. シアリス
シアリスは、ED治療薬の中でも「持続時間が長い」という特徴があります。通常、服用後30分から1時間ほどで効果が現れ、効果が最長で36時間続くことがあります。これにより、食事やタイミングを気にせず、自然な流れで性行為に臨むことが可能です。また、食事の影響を受けにくいという利点もあります。とくにED治療薬の中ではお酒の影響を受けにくく、効果を持続させることができます。
シアリスジェネリック
シアリスジェネリックは、シアリスの特許が切れた後に発売された、同じ有効成分(タダラフィル)を含む薬です。効果や持続時間はシアリスと同じですが、価格がより安価であるため、経済的に負担を軽減したい方に適しています。
2. レビトラ
レビトラも、即効性が特徴のED治療薬です。通常、服用後30分以内に効果が現れ、効果の持続時間は約4~5時間です。性行為の直前に飲んでも問題ないので、比較的使いやすい薬といえます。ただし、現在日本では生産中止となっているため、当院でも処方はしていません。
レビトラジェネリック
レビトラジェネリックは、レビトラと同じ有効成分(バルデナフィル)を含むジェネリック薬です。レビトラと同様の効果が期待できますが、価格が安価であるため、費用を抑えたい方に適しています。
3. バイアグラ
バイアグラは、世界で初めて開発されたED治療薬で、広く知られています。服用後30分から1時間ほどで効果が現れ、持続時間は4~6時間程度です。効果をしっかり感じられる薬ですが、食事の影響を受けやすい傾向があります。特に脂肪分の多い食事を一緒に摂ると効果が遅れることがありますので注意が必要です。
バイアグラジェネリック
バイアグラジェネリックは、バイアグラと同じ有効成分(シルデナフィル)を含むジェネリック薬です。バイアグラと同様の効果が期待できますが、価格が安価であるため、コストを抑えたい方に人気があります。
4. バイアグラODフィルム
バイアグラODフィルムは、バイアグラの「口腔内崩壊フィルム」タイプです。水なしで口の中で溶けるフィルム状の薬で、外出先でも手軽に服用できます。効果の発現時間や持続時間は通常のバイアグラと同様ですが、フィルムタイプであるため、飲みやすさが向上しています。
ED(勃起不全)、ED治療薬のよくあるご質問
ED治療薬は飲み続けなければいけませんか?
いいえ、ED治療薬は服用を続ける薬ではありません。
必要な時に1回1錠飲んで頂くだけで大丈夫です。ただし、器質性EDにより勃起を起こすメカニズムに問題がある場合は、ED治療薬を毎回服用しないと、うまく性行為ができないことがあります。詳しくは医師にご相談ください。
ED治療薬を服用することでEDの症状が悪化することはありますか?
いいえ、基本的にありません。
ED治療薬を使用することでEDの症状が改善することはあっても、悪くなることは基本的にありません。
副作用はありますか?
細かい副作用は薬剤により異なりますが、一時的に顔のほてり、鼻づまり、胃のむかつき、場合によって頭痛などが見受けられる場合があります。
精力剤とED治療薬との違いは?
精力剤は食品の一つで、医薬品ではありません。
精力剤には、勃起を直接的に改善できる効果は期待できません。即効性を求めて一時的に飲むのであれば、ED治療薬が有効です。
ネットでED治療薬を買っても大丈夫?
ネットで出回っている偽造品に注意が必要です。
偽造品にはEDに有効な成分が十分に入っていなかったり、不純物が購入していたり、健康に害を及ぼすリスクが高いです。 日本で処方された薬には、副作用救済制度というものがあり、薬によって副作用が出た場合に、補償を受けられる可能性がある制度があります。国内の医療機関で正規品を購入すれば、問題はありません。医薬品を個人輸入する場合は、十分に注意してください。
ストレスや緊張が原因となる心因性ED
心因性EDは、過度なストレスや緊張、不安などによって起こります。年代では20~30代がもっとも多い傾向があります。たとえば、仕事や家庭の問題など、過度のストレスが引き金となっている場合が多いです。パートナーとの関係におけるトラブルやコミュニケーションの不足が、心理的な影響を及ぼし、EDを引き起こすことがあります。夫婦間のトラブルで多い「妻だけED」という男性も少なくありません。
また、性行為に対する不安やパフォーマンス不安、または性的経験に関するネガティブな思い出が勃起を妨げることがあります。さらに、抑うつ状態にある男性は、性欲の低下やEDを経験することが多いです。抗うつ薬がEDの悪化要因になっている場合もあります。内的な要因が非常に大きいEDですが、そこに糖尿病や高血圧などの病気が加わると、さらにEDの症状が強くなります。
心因性のEDは、血管を拡張すれば少しの刺激でも勃起するようになります。また、それが自信につながって、改善に向かっていく方は非常に多いです。
ED治療薬の処方によって比較的効果が出やすいタイプのEDなので、心当たりのある方は一度ご相談ください。
ほかの病気が原因となって起こる器質性ED
動脈硬化の進行や神経・血管に問題があるために起こる勃起不全を、器質性EDといいます。年代的には、40代以降の男性に多いです。何らかの病気によって男性ホルモン(テストステロン)が低下して、EDを発症します。
重度の糖尿病を抱えた方がEDになり、ED治療薬の処方を目的としてご来院されるケースは少なくありません。軽度な器質性EDは、たとえ動脈硬化があっても、ED治療薬によって血管が拡張することで勃起できるようになります。
しかし、重度の糖尿病やコントロールが困難な高血圧の症状がある場合、重度のうつ病を患っている場合は、ED治療薬だけでは十分な結果が得られないこともあります。
血管性障害によるED
動脈硬化や高血圧、糖尿病などが原因で、陰茎への血流が不十分になることがあります。これは器質性EDの最も一般的な原因です。
神経系の障害によるED
脊髄損傷、脳卒中、手術や外傷による神経損傷など、勃起を制御する神経の損傷がEDを引き起こすことがあります。
ホルモン異常によるED
低テストステロン(男性ホルモン)や甲状腺機能低下症などの内分泌異常がEDの原因となることがあります。
陰茎の構造に異常があることによるED
例えばペイロニー病(陰茎の湾曲を伴う病気)などもEDの原因となります。
糖尿病とED
糖尿病は血液中の糖分量が過剰になってしまう病気です。糖尿病の方の約8割がEDを発症しているというデータがあります。勃起は脳で感じた刺激が陰茎に伝わって起こる現象です。しかし、糖尿病になって神経障害を合併すると、脳の興奮が陰茎にうまく伝わらなくなります。また、糖尿病による動脈硬化や高血圧の影響で、全身の血流が悪くなり、EDを発症するリスクが高まります。糖尿病も自覚症状が乏しい病気です。EDになってはじめて、糖尿病が発覚するというケースもあります。
高血圧とED
高血圧は全身の血管にずっと圧がかかっている状態です。血管に負荷がかかり過ぎると、破裂を防ぐために血管がどんどん硬くなっていきます。やがて動脈硬化につながって、血管が詰まる原因となります。
心臓病とED
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患(心臓病)に罹患していると、動脈硬化が進行してEDになりやすい環境となります。院頸動脈は非常に細いため、動脈硬化の影響を受けやすいです。逆に、EDを放置すると、将来的に冠動脈が詰まり、心筋梗塞のリスクを高めます。
腎臓病とED
腎臓は血液をろ過してキレイにする役割を担います。腎機能が悪くなると、血液をキレイにすることができないため、正常な血液が血管を流れず、やがて動脈硬化を招きます。腎臓が悪い方はEDになりやすく、とくに人工透析の患者さんはED率がとても高い傾向があります。また、透析患者さんは体の状態をコントロールするために、降圧剤や抗うつ剤などの薬をたくさん飲んでいることが多いです。その薬の副作用で、EDを発症することがあります。
肥満とED
肥満はテストステロンというホルモンを下げてしまうため、性機能が低下しやすい状態にあります。なかでも内臓肥満の方は、EDを発症しやすいです。内臓肥満とは、内皮細胞という部分が炎症のような障害を起こしている状態です。極度の肥満であると、血液はCRP(C反応蛋白)が高い状態が続きます。これは体内が炎症を起こしていることを表し、身体に対して負荷をかけ続けている状態であることがわかります。
特定の薬の服用が原因で起こる薬剤性ED
薬の副作用が原因で起こるEDを、薬剤性EDといいます。たとえば、抗うつ剤、AGA(男性型脱毛症)の薬、血圧の薬があげられます。また、薬物の副作用がEDを引き起こし、そのことが精神的なストレスや不安をもたらし、結果的にEDがさらに悪化することがあります。
抗うつ剤によるED
精神安定剤や抗うつ剤、睡眠薬などの副作用で性機能障害が起こることがあります。うつ病になると、セロトニンという物質が不足して意欲が低下します。抗うつ剤には、このセロトニンを増やすための作用があります。しかし、体内のセロトニン濃度が高まると、勃起する感度が下がってしまい、やがて感覚が鈍り射精しにくくなります。
精神疾患に関連する薬を飲んでいることを、口にするのは抵抗がある方も多いと思いますが、抗うつ剤を使用している方にはED治療薬が有効なので、一度相談してください。
AGA治療薬とED
AGA(男性型脱毛症)の薬は、AGA進行の要因となるジヒドロテストステロンの増加を防ぐ作用があり、服用すること発毛と脱毛のバランスをとる役割があります。このAGA治療薬の副作用で、ごく一部の方がEDになる可能性があります。
AGAの薬とED治療薬を併用すること自体、問題はありません。当院ではどちらの治療薬も処方しており、服用する男性の年齢層も重なっているため「一緒に処方してほしい」とご来院される患者さんは多いです。お気軽にご相談ください。
糖尿病の薬とED
糖尿病はEDの発症要因となりますが、糖尿病の薬自体はEDとは関係がありません。糖尿病の薬と併用して、ED治療薬を使用することはできますが、糖尿病の末期症状として起こる神経障害を原因としたEDは、ED治療薬が効かないことも少なくありません。
糖尿病の方は、まずは糖尿病のコントロールを徹底し、神経や血管にダメージを受けてEDが進行しないように注意しましょう。ED治療薬で改善するケースもありますので、試してみたいという方は是非、ご相談ください。
血圧の薬とED
血圧の薬である「カルシウム拮抗薬」の一部に、勃起力を低下させるというデータがあります。降圧剤のなかにはEDに関与するものもあるため、高血圧の薬を処方されている方で、EDにお悩みの場合は、お薬を変更してみましょう。降圧剤によってEDの症状が出ている場合は、ED治療薬を併用しての治療が可能です。
器質性と心因性の混合が原因で起こる混合性ED
器質性EDに、精神的なストレスが加わってEDに陥る場合があります。このように、器質性EDと心因性EDが合わさっている状態を、混合性EDといいます。年代的には、比較的シニア世代以上の方に多くみられるEDです。
たとえば、糖尿病による軽度の神経損傷がある男性が、その結果としてEDを経験し、そのEDに対する不安やストレスが、さらに状況を悪化させることがあります。
また、心理的な要因が器質的な要因を悪化させるケースも少なくありません。性行為に関する不安が元々の軽度な血流障害を悪化させ、勃起がさらに困難になる場合があります。