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ブロチゾラム(レンドルミン)の効果と副作用

レンドルミンとは

レンドルミン(商品:ブロチゾラム)レンドルミン(商品:ブロチゾラム)は、短時間型ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬(短時間型睡眠導入剤)です。その効果のバランスが良く、寝つきが悪い方から、夜中に目が覚めやすい方まで幅広く処方されており、標準的な睡眠薬として広く用いられています。作用の速さ、効果持続時間、そして翌朝への影響が少ないことから、医療現場での信頼性が高い薬剤です。

2023年10月、レンドルミン錠0.25mgの偽造品が市場に出回っていることが報告され、注意喚起が行われました。そのため、信頼できる医療機関での処方が推奨されています。また、レンドルミンは睡眠時無呼吸症候群や高齢者への影響に注意が必要で、適切な管理と慎重な使用が求められます。

(参考)日本薬局方 ブロチゾラム錠

レンドルミンの特徴

不安や緊張の緩和

ブロチゾラムはGABA受容体に作用し、脳の興奮を抑えることで不安を和らげ、入眠しやすい状態を作り出します。

作用時間が短い

通常、服用後15~30分で効果が現れ、6~8時間程度の作用が続きます。寝つけない方だけでなく、夜中に目が覚めてしまうケースにも対応できるため、心因性不眠や加齢による睡眠の質低下に適しています。

翌朝への持ち越しが少ない

短時間型のため、朝起きたときに眠気が残りにくく、日中の活動への影響も抑えられます。

レンドルミンの用法と用量

  • 標準的な用法:通常、成人は0.25mgを就寝直前に服用します。
  • 空腹時の服用が推奨:空腹時に服用することで吸収が早まり、効果が最大限に引き出されます。
  • 高齢者や肝機能の低下がある患者:0.125mgなど低用量から開始し、効果と副作用を慎重に観察しながら調整するのが一般的です。
  • 服用タイミングの重要性:服用後にすぐ床に就くようにし、無駄な活動は避けることで、健忘(服用後の記憶障害)などの副作用を防ぎます。

使用上のアドバイスと生活習慣の見直し

通常、1~2週間程度の短期間使用が推奨され、長期使用する際は定期的な医師の診断が必要です。また、生活習慣の見直しも重要です。カフェインの摂取を控える、寝る前にスマートフォンを使用しないなど、睡眠環境を整えることも心がけていきましょう。

レンドルミンの副作用と注意点

定期的な医師との相談を通じて効果や副作用を確認

レンドルミンの主な副作用

  • 翌朝への影響:翌朝まで眠気が残る場合がありますが、これは過量服用や体質によるものが主な原因です。
  • ふらつきや転倒:夜間のトイレなどで転倒するリスクがあるため、特に高齢者は注意が必要です。
  • 筋弛緩作用:筋肉の緊張が和らぐことで、睡眠時無呼吸症候群を悪化させる可能性があります。
  • 依存性のリスク:ベンゾジアゼピン系に共通する特徴として、長期使用で依存や離脱症状が発生することがあります。

注意すべき点

  • 急な中止は、以前より強い不眠が生じることがあるため、医師の指示に従い、徐々に減量します。
  • 高齢者は副作用の影響を受けやすく、せん妄(意識混濁状態)を引き起こすことがあります。
  • 服用後や翌日も眠気が残る場合は、運転や機械作業などは避けましょう。
睡眠時無呼吸症候群への影響

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の患者さんには、ベンゾジアゼピン系の使用は慎重に行う必要があります。症状が重い場合、メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)やオレキシン受容体拮抗薬(レンボレキサント、スボレキサント)の使用が検討されることがあります。

高齢者への注意点

高齢者では、代謝や排泄機能が低下しているため、副作用の影響を受けやすくなります。可能な限り低用量から始め、副作用が出ないか慎重に観察しながら投与する必要があります。

そのほかの睡眠薬との比較

当院では、超短時間型睡眠導入剤と呼ばれる眠剤も処方しています。短時間型睡眠導入剤との違いは、主に効果のピークがいつに達するかと作用時間の長さにあります。

 比較項目 短時間型睡眠導入剤 超短時間型睡眠導入剤
効果のピーク 内服後1時間未満 内服後1時間未満
作用時間  6~10時間 2~4時間
使用目的 入眠障害中途覚醒に効果あり 主に寝付きを助けるために使用
代表的な薬剤 レンドルミン ハルシオン、マイスリー


このように、超短時間型は寝付きを助けるのに適しており、短時間型は睡眠中の覚醒を防ぐ効果が高いです。

超短時間型睡眠導入剤

 

レンドルミンは、入眠障害と中途覚醒に広く対応できるバランスの良い睡眠薬であり、ストレスや不安による一時的な不眠症に適しています。ただし、依存や副作用のリスクを避けるためには、医師の指導のもとで適切な期間・用量で使用することが重要です。不眠の根本的な原因を見極め、薬物療法と並行して生活改善や他の治療法を組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。

必要に応じて、定期的な医師との相談を通じて効果や副作用を確認し、適切に使用を継続してください。